コクサギ
初冬になり木々の落葉が目立つようになりましたが、よく見ると果実がついている木々が多くあります。コクサギ(小臭木)は山野の沢沿いなどに生え、花期は4月で、秋から冬に熟した果実は裂開して種子を自動散布します。
果実はさく果で、果実の外果皮と内果皮が裂けて黒色の種子が顔をのぞかせている。一部、外果皮が閉じているのも見える。
果実の外果皮と内果皮が裂けて開き、種子を弾き飛ばそうとしている。
種子を包んでいたクリーム色の内果皮が裂けて種子を弾き飛ばす。ビシッと音がして一瞬に種子が2〜3m程弾き飛ばされる。
弾き飛ばされた種子とバラバラになった内果皮。黒色の種子は直径、約3mmの球体で、内果皮は、長さが約6mmでマカロニのような形と触感。
華やかさはないが紅葉する。
落葉後も果実が残り、種子が散布される。
芽吹きの頃。4列に並んだ芽鱗が膨らんで新芽が伸びていく。 4月3日
若葉と同時に小さな黄緑色の花を咲かせる。 4月10日
ミカン科の落葉低木。前年の枝に果実が一部残っている。
落ち葉4
11月下旬になり、仙台市内の木々は落葉が目立つようになりました。ウコギ科のタカノツメやコシアブラなどは、すっかり葉を落としましたが、落葉後、淡黄色から黄褐色になり色が濃くなっています。紅色に鮮やかに紅葉したハゼノキやメグスリノキ、ハウチワカエデなどは、落葉後も鮮やかさを保ちよく目立っています。
3出複葉のタカノツメ。落葉後、茶褐色に変化する。
掌状複葉のコシアブラ。落葉後は褐色になり枯れやすい。
3小葉のクズ。5〜7対ある側脈がはっきり見える。
奇数羽状複葉のハゼノキ。落葉後も鮮やかな紅葉が楽しめる。
3出複葉のメグスリノキ。小葉に紅色のグラディーションがつく。
カキノキ。茶褐色の紅葉に暗褐色の斑点がアクセントになる。
落葉後も豊かな色彩のハウチワカエデ。
落葉後、虫食いが目立つウリハダカエデ 。
鮮やかな紅葉のコハウチワカエデ 。
掌状に5〜7裂するイロハモミジ。
ハナノキ。カエデの仲間なので鮮やかに紅葉する。
軍配の形をしたユリノキの黄葉。
鮮やかに黄葉から紅葉するモミジバフウ。
シラキ。鮮やかに紅葉するが落葉後は傷みやすい。
クリ。20対以上の針状の鋸歯があり、縁から褐色になり枯れていく。
常緑樹のシロダモ。落葉後は茶褐色になり枯れる。
落ち葉3
晩秋になり雑木林や公園の木々の落ち葉が目立つようになりました。カツラやシラキなどの木々はすっかり葉を落としてますが、イロハモミジやコハウチワカエデ など紅葉が見頃の木々もあります。この時期の楽しみは、雑木林を散策しながら、地面に落ちている様々な落ち葉の収集です。落葉後の紅葉や黄葉の変化と枯れていく様子が楽しめます。
ナラガシワ。コナラより側脈が少なく、黄葉の色彩が豊か。
コナラ。鋸歯が針状になり、黄葉の色彩は単色が多い。
カシワ。ナラガシワとよく似るが葉柄がほとんどない。
エノキ。落葉すると黒褐色から茶褐色に変化する。
イイギリ。落葉時は緑色(上)だが、時間がたつと黒色(下)に変化する。
ミズキ。紅葉しても8〜10対ある側脈がはっきり見える。
カジカエデ 。鮮やかに紅葉し、落葉後は葉が傷みやすい。
カツラ。落葉後は黄色から茶褐色に変化する。
カクレミノ。落葉後は黄葉から茶褐色に変化する。
サクラ。細かい鋸歯があり、紅葉にグラディーションがつく。
ハンカチノキ。落葉後は黒色の紋がつき傷みやすい。
ガマズミ。落葉後も鋸歯がはっきり残り、葉脈がはっきり見える。
ホオノキ。茶褐色に様々な紋がつく。
モミジバスズカケノキ。落葉後は茶褐色に変化する。
プラタナスの果実
青葉町公園のプラタナス(モミジバスズカケノキ)の果実が風に揺れています。果実は、直径約4cmの球体で、枝から長い果柄を出してぶら下がります。落葉した後も果実は残ることが多く、初冬の頃、強風などで落下し、やがて硬い果皮が裂けて冠毛を多数つけた種子が飛び出します。
枝から長い果柄をつけてぶら下がる果実。果実は直径約4cmの球体で多数の尖がった種子が球状につく。
熟した果実。多数のそう果が集まり直径約4cmの球体を作る。
果実の断面(上)。中心の芯は非常に硬い。硬く尖がった種子が集合して堅果を作り、一個の果実に数百の種子がついている。硬い果皮の一部が裂けて種子が飛び出している(下)。
プラタナスの種子。種子は長さ、約10mmで先端が膨らんで尖り、長さ7〜8mmの多数の冠毛で包まれる。冠毛の付いた種子は風などで飛ばされやすい。
大きな葉は掌状に深く3〜5裂し、あらい鋸歯がある。
スズカケノキ科の落葉高木で、高さが30mにもなる。
モザイク模様が美しい樹皮。
モミジバフウの果実
11月中旬になり、仙台市内の街路樹や公園樹が鮮やかに色付いています。ケヤキやイチョウ、ユリノキなどは黄葉が始まったばかりですが、モミジバスズカケノキやモミジバフウなどは半分以上落葉になり、果実が目立つようになりました。モミジバフウは北米原産の落葉高木で、新緑や紅葉が美しいことから街路樹や公園樹などに植栽されます。
果実は2.5〜3cmの球状で、トゲトゲが多数つく。晩秋から冬にかけて熟して茶褐色になり、トゲトゲの膨らみのある部分が裂開して種子を散布する。
緑色の若い果実(上)。熟して裂開した果実(下)。
種子の大きさは、長さが約8mmのヘラ状で、片側が黒くなる。
掌状の深い切れ込みのある大きな葉で、黄色から赤色のグラディーションが美しい。
アメリカフウとも呼ばれ、紅葉は青空に映える。
仙台市青葉区旭ヶ丘