面白い接写の世界

雑木林や公園などで、植物や自然の営みをマクロレンズで撮影してます

2020-01-01から1年間の記事一覧

初冬の林縁

初冬の林縁では木々はすっかり葉を落とし、枝に巻きついたつる植物がよく目立ちます。ボタンヅルやノイバラは果実がまだ残っています。 冠毛をつけたボタンヅルの果実。 しぼんだノイバラの果実。 ヤブランの種子。 ドライフラワーになったモミジイチゴの葉…

ヤブラン

ヤブラン(藪蘭)は林の木陰などに生える常緑多年草です。花期は8〜10月で総状花序に多数の淡紫色の小花をつけます。花後、緑色の果実をつけ、熟すと黒紫色の種子がむき出しになります。 種子は直径6〜7mmの球形。 種子の断面。ゼリー状の胚乳が見える…

落ち葉2

初冬に入りカエデやサクラなど落葉樹のほとんどは葉を落とし、ヒノキやサワラ、スギなどの針葉樹も古くなった葉を落とします。地面には様々な木々の落ち葉が、別の表情を見せてくれます。 ヒノキの葉は鱗状で先端は尖らない。 サワラとヒノキ。茶色がサワラ…

つる植物の紅葉

晩秋の頃、公園などではイロハモミジやハウチワカエデなどの華やかな紅葉が目立ちますが、つる植物のツタウルシやブドウ科のツタやノブドウなども晩秋にかけて美しく紅葉します。 ツタウルシはウルシ科のつる性木本。葉は互生し3出複葉で、小葉は卵形。 ツ…

トウカエデとハナノキの紅葉

トウカエデとハナノキはカエデ科の落葉高木で、公園や街路樹によく植えられます。花や果実は小さく目立ちませんが、秋の紅葉はどちらも色合いに変化があり鮮やかです。 トウカエデ(唐楓)は中国原産の落葉高木。葉は対生し倒卵形で浅く3裂し、黄色から橙色…

ハウチワカエデの紅葉

11月中旬から仙台市内では、カエデやサクラなどの紅葉が見頃になっています。その中でも色鮮やかなのはハウチワカエデ(羽団扇楓) です。 掌状の大きな葉は、橙色から赤色のグラデーションがあり、逆光で見ると重なりあった葉の影が模様になる。 あらい鋸…

果実と種子2

果実には大きく分けて、果皮が柔らかい液果と果皮が乾燥した乾果があります。乾果には果皮が裂開するさく果や、裂開しない堅果などがあります。果実の中にある種子には、形や色、模様などが様々なので、露出した時の楽しみがあります。 スズメウリはウリ科の…

ネコノチチの黄葉

ネコノチチ(猫の乳)はクロウメモドキ科の落葉小高木です。5〜6月に咲く花は小さくて目立ちませんが、秋の黄葉は細かな葉脈が浮き出てとても美しい。 葉は互生し長楕円形で先端が尾状にとがる。細かい鋸歯があり、葉脈は網状脈でまるでレースのよう。 果…

シラキの紅葉

シラキはトウダイグサ科の落葉小高木です。花や果実は目立ちませんが、新緑と紅葉が美しく良く目立ちます。平地から山地の日当たりの良い雑木林に生え、ヤマウルシやツタウルシなどと同様にいち早く紅葉します。 逆光で見ると葉脈がはっきり見え、黄色から橙…

ヤマウルシ

10月下旬頃から仙台市郊外の雑木林では、ヤマウルシやシラキ、コマユミなどの木々の紅葉が見頃です。特にヤマウルシの紅葉は濃厚な色合いを見せてくれます。果実は淡褐色の小さな卵形で多数つけ、熟すと外果皮が剥がれて白色の果皮が露出します。 葉は奇数…

アレチヌスビトハギの果実

アレチヌスビトハギ(荒地盗人萩)はマメ科の多年草で北米原産の帰化植物です。花期は8〜9月で、道端や荒地に生え、秋になるとヌスビトハギと同じように、果実についた多数のカギ状の毛で衣類などにひっつきます。 果実は4〜6節からなる。1個の果実の大…

コセンダングサ

コセンダングサはキク科の一年草です。熱帯アメリカ原産の外来種で道端や草地などに普通に生えます。花期は9〜10月で枝先に黄色い頭花をつけます。仲間のアメリカセンダングサと同じ場所に生え、果実はひっつき虫で衣類などにくっつくと厄介です。 頭花は…

コメナモミ

コメナモミは山野の林縁などに生えるキク科の一年草です。花期は9〜10月で黄色の頭花を多数つけます。頭花は小さくて目立ちませんが、腺毛がついた5個の総苞片が横にのびて良く目立ちます。 花托には鱗片があり頭花を抱いている。5個の総苞片は横に長く…

センブリ

センブリ(千振)はリンドウ科の1〜2年草です。花期は9〜11月で、日当たりの良い林の縁などに小さな花を咲かせます。花は約2cmと小さく、蕾は淡紫色で可憐な花です。 花冠は4〜5裂し、淡緑色のスジがあり、裂片の基部には密腺があり、ふちには長い毛…

カヤツリグサ

カヤツリグサ(蚊帳吊草)はカヤツリグサ科の一年草です。田畑のあぜや道端、庭先などに生え、繁殖力が強く厄介な雑草として嫌われますが、放射線状につく花序は線香花火のようで面白さがあります。 散形状に花穂がつく。小穂は12〜20個の花からなり、先…

エノコログサとキンエノコロ

エノコログサとキンエノコロはイネ科の一年草です。荒地や道端などに生え、よく似ていますが、花穂の形や小穂の基部につく剛毛の色などに違いがあります。 エノコログサ(ネコジャラシ)の花序は円柱形で多数の小穂がついている。小穂の基部には1〜3本の長…

オクモミジハグマ

オクモミジハグマは雑木林の林縁に生えるキク科の多年草です。花期は9〜10月で、穂状に花序をつけ一つの蕾に3個の小花がつき、小花の花冠は5裂し細長い線状になり少し反り返ります。葉は輪生状に4〜7個つき円心形で掌状に浅く裂開します。 頭花は3個…

フジバカマ

秋の七草の一つ、フジバカマ(藤袴)は、土手や草地に生えるキク科の多年草です。花期は8〜10月で、仲間のヒヨドリバナと花の形がよく似ているが、花の色や葉の形に違いがあります。 花は藤色の頭花で、5個の筒状花が総苞に包まれ、散房状に多数つける。…

サワギキョウ

サワギキョウ(沢桔梗)は、湿地に生えるキキョウ科の多年草です。キキョウの仲間ですが、花は小さく形も大きく違っています。花期は8〜9月で、花冠は大きく裂開し鳥の翼のように見えます。 花冠は濃紫色で上唇が2裂、下唇が3裂する。若い果実から花柱が…

葉身と葉脈

草木の葉には様々な形の葉身と葉脈あります。イチジクやヤツデなどの葉身は、大形の掌状で葉脈がはっきり見え美しい網状脈を作ります。キササゲやアカメガシワも大形の葉身で主脈、側脈、細脈の形がよくわかります。 イチジクの葉は掌状で大きく裂開する。主…

葉脈のパターン

草木の葉を逆光で透かしてみると葉脈が見えます。葉脈には様々な模様があり、大きく分けて網状脈と平行脈があります。網目模様の網状脈は一見、毛細血管や住宅地図のようにも見え、イネ科のササの平行脈は走査線のようにも見えます。 ノブドウの網状脈。主脈…

ボタンヅル

ボタンヅルはキンポウゲ科の落葉つる性半低木です。花期は7〜8月で、白色の花弁のような萼をつけ多数の雄しべがありよく目立ちますます。8月下旬には透明感のある若い果実をつけます。花の色や形がよく似ているセンニンソウは8〜9月に花を咲かせ、葉が…

カラムシとヤブマオ

カラムシとヤブマオはイラクサ科の多年草で、花や葉の形がよく似ています。花期は8〜9月で、小さな花を多数つけます。カラムシは高さが1〜2mにもなりますが、ヤブマオは高さが1mまでしか伸びません。 カラムシ。雌花序は垂れ下がり、多数の雌花が穂状に…

ノブキ

ノブキ(野蕗)はキク科の多年草です。林内に生え8〜9月に花を咲かせます。頭花は外側に雌花と内側に両性花があり、果実は雌花のみできます。果実はそう果で腺毛があり、動物などにひっつきます。 外側に雌花と内側に両性花があり、雌花のみ実をつける。 …

ノブドウとヘクソカズラ

ノブドウとヘクソカズラは7〜8月に花を咲かせ、秋に果実をつけます。どちらも林の縁の草や木々などに巻きついて生育するつる植物です。 ノブドウはブドウ科のつる性木本。集散花序に多数の小花をつける。花弁は5個、雄しべは5個、花柱は1個。 秋につけ…

ヤマノイモ

ヤマノイモはヤマノイモ科のつる性多年草で、7〜8月に花を咲かせます。雌雄異株で雌花序は垂れ下がり、雄花序は直立し小さな花を多数つけます。雌花の子房には翼があり、オニドコロと違って下向きにつきます。果実はさく果で、3個の翼があり下向きにつき…

アカソ

アカソ(赤麻)はイラクサ科の多年草で茎や葉柄が赤いのが特徴です。雌雄同株で7〜9月に茎の上部に雌花序、下部に雄花序つけます。花は小さく地味で目立ちませんが、葉は先が3裂し真ん中の裂片が尾状に伸びてよく目立ちます。 上部につく雌花序には、淡紅…

ツユクサ

ツユクサ(露草)はツユクサ科の一年草です。花は一日花で、朝に咲いて午後には閉じてしまう。花期は6〜9月で、道端や草地などで普通に見られます。暑い夏の時期、青色の花は、気持ち涼しさをもたらしてくれます。 花弁は3個で、青色の2個がよく目立ち、…

ゼンテイカの果実

ゼンテイカ(禅庭花)はツルボラン科の多年草で、6〜7月に花を咲かせ、7〜8月に果実をつけます。果実はさく果で、熟すと上部が裂開して種子が出てきます。ユリ科の仲間のように見えますが、種子には翼がなくヤブランの種子とよく似ている。 果実は3室に…

トウネズミモチ

トウネズミモチ(唐鼠黐)はモクセイ科の常緑小高木です。6月〜7月にかけて新枝の先に円錐花序をだし小さな白色の花を多数つけます。中国原産で公園などに良く植えられます。花や葉、果実がよく似ているネズミモチは、関東以西に自生し、庭木として良く植…