針葉樹の葉
スギやモミ、ヒノキなど針葉樹の葉は、近くで見ても違いが良くわかりません。実際に葉を手にとって見ると、葉先の尖や、形、硬さなど、葉の特徴が良くわかります。針形には、クロマツやスギなどがあり、線形にはモミ、カヤなどがあり、鱗形にはヒノキやサワラなどがあります。葉の表を見ても区別がつかない場合、葉の裏を見るとその違いが良くわかります。
ヒノキの葉裏。鱗片状の葉が接する所に白い線状に見えるのが気孔帯。白い気孔帯は、Y状に見える。
ヒノキ(ヒノキ科)の葉。鱗片状の葉先は丸みを帯びる。
ヒノキの葉裏。白い気孔帯のパターン模様。
サワラの葉裏。葉の平面に白く見える気孔帯は、X状に見える。チョウのようにも見える。
サワラ(ヒノキ科)の葉。鱗片状の葉先は尖る。ヒノキとの違いは、葉を裏返して見た方がわかりやすい。
サワラの葉裏。日が当たらない葉裏は、鮮やかな緑色です。
アスナロの葉裏。白い気孔帯は葉の平面に大きく広がっている。これほど葉裏が美しいとは驚きです。
アスナロ(ヒノキ科)の葉。鱗片状の葉先は丸みを帯び、ヒノキと似ている。ヒノキとの違いは、葉を裏返して見た方が区別がつく。
スギ(ヒノキ科)の葉。葉先は尖り鎌状になり、葉には白い気孔帯が見える。
スギ(ヒノキ科)の葉。らせん状についた葉は、軽くものをつかむマジックハンドのように見える。日が当たる側の葉は、枯れたような色になっている。
モミ(マツ科)の葉。若木の葉先は、2裂して先が鋭く尖り指で触ると痛い。
モミの葉裏。白い気孔帯が線状に見える。
成熟したモミの葉は、葉先がはっきり2裂せず丸みを帯び、らせん状に多数葉がつく。
クロマツ(マツ科)の葉。葉は硬くまっすぐ伸びて先が尖り触ると痛い。白い鱗片の冬芽が見える。アカマツの葉は、クロマツより柔らかく、葉先に触っても痛くない。
ヒマラヤスギ(マツ科)の葉。クロマツの葉より柔らかく、葉先は尖り触ると痛い。
カヤ(イチイ科)の葉。葉は硬く先が針のように鋭く尖り、強く指で触ると皮膚に刺さる。葉は少し鎌状に曲がっています。
カヤの葉裏。淡黄緑色の気孔帯が2列に見える。
イヌガヤ(イチイ科)の葉。葉は柔らかく先が尖るが、指で触っても痛くない。
イヌガヤの葉裏。白い気孔帯が主脈の両側に隙間なく広がっている。