タイサンボク
タイサンボク(泰山木)は北アメリカ原産の常緑高木です。公園樹として良く植栽され、6月から7月にかけて芳香のある大輪の花を咲かせます。同じモクレン科のコブシやホオノキと花の形が良く似ています。モクレン科の花は、円錐形の花托に雌しべ、雄しべ、花被片がらせん状につくのが特徴で、特にタイサンボクの雌しべは、渦巻き状に丸くなり面白い形をしています。
白色の花被片は9個。花托の上部に雌しべがつき、花托の基部に雄しべがらせん状に多数つく。雌しべは黄褐色で渦巻き状に丸くなる。雄しべは細長いへら状で、花粉を出した一部は花托から剥がれている。
花被片が開いたばかりの雌しべは薄黄色で小さく丸くなっている。細長いへら状の雄しべはお互いにくっついている。
早い時期に咲いたタイサンボクは若い果実をつけている。花托の下部に雄しべのなごりが1個ついていて、雄しべがとれた後は花托の下部は赤紫色の跡が残る。
高さは20mにもなる常緑高木で、葉は厚い革質の長楕円形で光沢があり互生でつく。
タイサンボクの果実は袋果で、秋に熟すと外皮が裂け赤い種子が出てくる仕組で、コブシの果実とよく似ている。写真は前年に種子を出した後の果実のなごり。