夏の実り
夏の雑木林は、クサギやネムノキなどの芳香とコナラやクヌギなどの樹液の甘酸っぱい香りが漂っています。木々の葉は強い日差しを遮って、暑さを和らいでくれてます。日当たりの良い林縁には、ウワミズザクラが赤い果実をつけています。コウゾは球形の赤い果実を葉の下につけ、ニガイチゴは赤い果実を葉の上につけています。どちらも甘く食べられます。落葉高木のアオダモは、翼果を多数つけ、林縁の奥の方にはヤブデマリの赤い果実が上向きにつき良く目立ちます。
ウワミズザクラ(上溝桜)は、バラ科の落葉高木。4月から5月にかけて総状花序に小さな白い花を多数つける。果実は8月頃、赤色から黒色に熟し食べられ、果実酒にも利用される。
コウゾ(楮)は、クワ科の落葉低木。果実は7月頃、橙赤色に熟し甘く食べられる。樹皮は和紙の原料になる。
ニガイチゴ(苦苺)は、バラ科の落葉低木。赤く熟した果実は食べられる。枝には鋭いトゲがある。
アオダモ(青だも)は、モクセイ科の落葉高木。果実は翼果で倒披針形。秋に熟し風散布で種子を飛ばす。
ヤブデマリ(藪手毬)は、スイカズラ科の落葉低木。5月頃、白色の装飾花をつけた両性花を咲かせる。夏に小さな赤色の果実を上向きに多数つけ、花序の枝も赤くなる。
クマヤナギ(熊柳)はクロウメモドキ科の落葉つる性。果実は夏に黒く熟し、食べられる。
ビワ(枇杷)は、バラ科の常緑高木。冬の時期に白色の5弁の花を咲かせる。夏の時期、黄橙に熟した果実は甘くて美味しい。
ヤマモモ(山桃)は、ヤマモモ科の常緑高木。果実は7月頃、暗赤色に熟し甘酸っぱく食べられる。果実は痛みやすく保存しにくい。