面白い接写の世界

雑木林や公園などで、植物や自然の営みをマクロレンズで撮影してます

オヤマボクチ

晩秋から初冬にかけてオヤマボクチ(雄山火口)は、枯れた筒状花をつけ、先端には暗紫色の雌しべが垂れ下がる。飛び出た雌しべの基部には冠毛をつけた果実が多数付いていて、風などで枯れた雌しべや冠毛をつけた果実が飛ばされます。オヤマボクチは、翌年の春まで、茎から垂れ下がった総苞片と冠毛をつけた果実を見ることができます。

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筒状花は枯れて茶色になり、先端に暗紫色の雌しべが飛び出ている。一部に果実の冠毛が見え、全体にまだら模様。

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 総苞片は黒くなり逆立って鋭く尖っている。淡黄色の冠毛が多数見え、暗紫色の雌しべも多数見える。

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果実は長さが約8mmのそう果で、中に1個種子がある。果皮は柔らかく簡単にむける。冠毛は長さが約2cmあり、ノハラアザミの冠毛に比べて大きく太い。

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この果実には、枯れた雌しべが付いている。雌しべの長さは約3cmある。

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果実の殻をむいたばかりの種子。種子は長さが約6mmの楕円形。

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オヤマボクチの花期は9月〜10月。花の構造は、頭状花序でキク科のノハラアザミなどと同じで、雄しべが開花後、花冠から雄しべの花粉を押し出すように淡紫色の雌しべが伸びだしている。 10月8日

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オヤマボクチは山野に生える多年草で、草丈は、1〜1.5cm。花の直径は6〜8cmと大きく、下向きに咲く。葉は楕円形で茎の下の方に大きい葉がつく。

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晩秋から初冬の雑木林の林床では、草丈の高いオヤマボクチは良く目立ちます。葉裏には白い綿毛が密生し、抽出した綿毛が火起こしする時の火口(ぼくち)として用いられたことが名前の由来になっている。

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早春の頃になっても総苞片は形が残り、垂れ下がった下部には、これから飛び出そうとしている冠毛と果実が見える。3月22日

仙台市青葉区笈坂 仙台市野草園