ヤマウコギ
荒れた雑木林の中でヤマウコギ(山五加木)を見つけました。枝には棘があり、新芽や若葉を食用できることから、東北地方では生垣などに植えられてきました。近くの林の中にはタカノツメやコシアブラ、ハリギリ 、タラノキなどウコギ科の仲間が自生していて、ほぼ同時期に芽吹きます。
枝に鋭い棘がある。新芽は香りがあり天ぷらなどにして食べられる。
ウコギ科の落葉低木。掌状複葉で5個の小葉がある。
雌雄異株で花弁は5個、雄花には雄しべが5個ある。 5月22日
よく似たウコギ科の仲間の芽吹き。新芽は全て天ぷらなどにして食べられます。
タカノツメ。落葉小高木で、葉は互生し3出複葉。
落葉高木のコシアブラ。掌状複葉で5個の小葉がある。
落葉高木のハリギリ 。枝には鋭い棘がある。葉は互生し、掌状に5〜7裂する。
タラノキ 。落葉小高木で枝には鋭い棘があり、葉身は大形の2回羽状複葉。
仙台市茂ヶ崎
木々の芽吹き7
ここ数日気温が上がり、仙台市内の桜が満開です。木々の冬芽も裂開が始まり、新芽が顔をのぞかせています。雑木林では、ノリウツギやミヤマガマズミ、ヤブデマリ、ニワトコなどがいち早く芽吹いています。
ノリウツギ。葉は対生し、卵形で鋸歯がある。開花は7月頃で、装飾花をつけた白い花を咲かせる。
ガマズミ 。枝や葉柄に毛が密生する。
ミヤマガマズミ。枝には毛がなく、ガマズミより早く開葉する。
ヤブデマリ 。葉は対生し、円形で鋸歯がある。開花は5月中旬。
コクサギ 。葉芽と花芽が同時に開く。
オトコヨウゾメ 。新芽は赤みを帯び初々しい。
マユミ。いち早く芽吹き、その後ゆっくり開葉する。
ニシキギ。桃色がかった芽鱗が裂けて新芽がでている。
イワカガミ。つる性落葉木本で、葉は対生し鋸歯がある。
ミツバアケビ。つる性落葉木本で、葉は互生し、3出複葉。花芽も同時につける。
ウワミズザクラ。葉芽と花芽が同時に開く。開花は5月頃で、白い小花を多数つける。
ガガイモ
冬の時期、広瀬川河川敷では、枯れ枝や枯れ草の中で、ガガイモやヘクソカズラ、ツルマメなどのつる植物が果実をつけています。ガガイモの果実は袋果で、熟して裂開すると長い毛がついた多数の種子を散布します。
果実は袋果で長さが約9cmの広披針形。袋果は熟すと裂開し多数の種子を散布する。
裂開したばかりの果実で、多数の種子が露出する。
まだ裂開していない果実。袋果は緑色で、表面がゴツゴツしている。
裂開して種子を散布した空っぽの果実や、これから種子を散布する果実などが見える。
種子は長さが6〜8mmの楕円形で、周囲に翼があり、種子には絹のような長い毛(種髪)が多数つく。
裂開した果実の中には、多数の種子が整然と並んでいて種髪がたたまれている。
花冠は5裂し、淡紅紫色で軟毛が密生する。 8月10日
キョウチクトウ科のつる性多年草で、葉は対生し、長さが6〜10cmの長卵形で、基部がハート形。荒れ地などにヘクソカズラやツルマメ、ヤブガラシなどと同居して生える。
仙台市太白区 広瀬川河川敷
スギの球果
スギの球果が熟して果麟が開いて種子が顔を覗かしています。球果には鎌のように先が尖った果麟が20〜30個あり、それぞれの果麟に種子が2〜3個ついています。
球果は直径、15〜20mmの球形で果麟の先が尖る。尖った果麟の先は柔らかく、触っても痛くはない。
葉は鎌状の針形でらせん状に配列され、球果は枝先に1個つく。
種子は一つの球果に数十個あり、長さ約4〜5mmの長楕円形で縁には狭い翼がある。
種子を出したあとの球果は、果麟の先が木質化して鉤爪のように鋭く尖る。
若い球果。直径、約2cmの球形で、秋に熟すと茶褐色になる。 7月10日
ヒノキ科の常緑高木。木全体に雄花が咲き、雄花から花粉が飛散している。 3月29日
ヒノキ
ヒノキ(檜)の球果はサワラと良く似ていますが、サワラより一回り大きく、小さなサッカーボールのような球体です。秋から初冬に球果の果鱗が開いて種子を散布します。
球果の大きさは直径、約10mmの球体。球果の果鱗が開いて種子がこぼれ落ち、風に飛ばされる。
種子の大きさは2〜3mmの楕円形で光沢があり、両側に翼がある。翼はサワラより小さく、1個の球果に約20個の種子が入る。
果鱗が開いて、盾のような形をした球果。果鱗の厚さは約2mmで、硬く木質化する。
果鱗が開く前の球果。10月8日
雌雄同株で雄花は枝先につける。雄花の花粉袋が膨らんでいる。 4月9日
雌花は下向きに垂れ下がるので、葉を裏返してみると良く見える。 4月27日。
鱗片状の葉先は丸みを帯びる。
葉裏の白い気孔帯は、Y状に見える。
ヒノキ科の常緑高木で、山地に分布し、各地に植林される。
樹皮は赤褐色で縦に裂け薄く剥がれ、檜皮葺き(ひわだぶき)と呼ばれ、屋根葺材に利用される。材は香りが良く耐朽性に優れる。