アスナロ
仙台市内の公園では、ソメイヨシノが満開になり、シダレザクラも咲き始めました。ヤブツバキやジンチョウゲ、レンギョウ、ユキヤナギなども咲き始め、彩り豊かになり春の訪れを感じます。その中でアスナロ(翌檜)は常緑針葉高木で、3〜4月にかけて雄花、雌花を咲かせます。針葉樹の花は、色が地味で目立たないですが、よく見ると形などに面白さがあります。
アスナロ(ヒノキ科)の雌花。4対の肉厚の鱗片があり、大きさは7〜8mm。雌花は目立たない小さな花ですが、3倍位のルーペで見ると鱗片の隙間から数個の小さな管のようなものが見える。これは、胚珠に花粉を届ける役目をしているようです。
アスナロは雌雄同株なので、同じ株に雌花、雄花をつける。画面下に暗茶色の雄花が見える。この雄花は、鱗片が剥がれているので花粉を飛散したようです。
雌花の花芽。黄緑色の小さな可愛い形で、葉裏の白い気孔帯も美しい。
花粉を飛散している雄花。風が吹くと鱗片内の葯から花粉が飛びます。アスナロの雄花はスギの雄花と同様に多くの花粉を含んでいる。
雄花はもうすぐ花粉を出しそうです。鱗片内には、球形の葯があり袋が裂けると花粉が飛散します。雄花は暗茶色で鱗片が規則正しく重なり合っています。 3月18日
果実は秋に淡黄緑色から淡褐色になり、大きさは約20mmになります。 5月23日
淡褐色に熟した果実。鱗片内には、種子が残っているようです。 3月8日
木質化した果実。鱗片は大きく開いていて種子を散布したようです。 3月15日
幹がまっすぐ伸びた樹形。アスナロは日本国内に自生し、高さは30mにもなる高木で、材はヒノキと同様に耐水性に優れています。