クズ(葛)
夏の時期、草地や空き地などで木々の枝につるを絡ませたり、草や低木を覆い尽くすように繁殖しているクズをよく見かけます。クズはつる植物で自らは立ち上がらず、他の植物に巻きついたりして生育します。以前住んでいた自宅では、隣の空き地からクズが庭木や物置まで覆い尽くし、つるを取り除くのに苦労したことがあります。そんな厄介なクズでも紅紫色の蝶形の花は芳香があり、近くで見ると中心部は黄色の模様がありピンクの筋などがあり美しい。
紅紫色の蝶形の花の大きさは約1.5〜2cm。中心部に見える黄色い模様は、花粉を運んでもらう昆虫たちを呼び寄せる役割をしていると言われている。薄紫色のつぼみは紅紫色の花とコントラストが良く美しい。
総状に多数の花をつける。花は下の方から順に咲いていく。
葉は3小葉からなり、大きいもので幅が20cmにもなる。葉身はひし形や浅く2裂する。つるは地面を這うようにのびて、木の枝などに巻きついて上にも伸びようとする。この時期でも新芽ができ若い葉が次々と成長する。
マメ科のクズは、秋に枝豆に似た実を多数つける。豆果は褐色の剛毛に覆われ、中には5〜7個の種子がある。
果実の名残り。果実の種子が放出された豆鞘は、翌年の春まで残ることが多い。クズは葉や花、つるが食用になり、根からは葛粉が取れお菓子などに利用される。 3月10日