アカシデ
水の森公園に生えるアカシデ(赤四手)の果穂が、冬の時期でもまだ枝から垂れ下がっています。アカシデはカバノキ科の落葉高木で、山野に自生します。雌雄同株で春に花を咲かせ、秋に果実を熟します。花の開花後も果穂が垂れ下がり、黄葉も美しく、一年中楽しめる樹木です。仲間のイヌシデやクマシデは、樹形や花序、果穂などが良く似ていますが、葉身や果苞などに違いがあります。
果穂は長さ約7cmで、葉に似た果苞が対になり、まばらに垂れ下がる。
枝から垂れ下がる果穂は、ヒラヒラした紙垂のように見える。紙垂(四手)とは、しめ縄などに垂れ下がる紙のことで、果穂を紙垂に見立てている。
果実は堅果で苞の基部に1個つく。苞の長さは1.5〜2cmで羽の役割もはたす。
堅果は長さ約4mmのドングリ形。表面には縦に7〜9個の筋がつく。
アカシデは雌雄同株で、雄花序は前年枝の葉腋から垂れ下がり、雌花序は枝の先端の芽から垂れ下がる。 4月19日
若い果穂。対になった果苞の基部に若い堅果が見える。7月6日
アカシデの葉はイヌシデの葉と良く似ている。イヌシデとの違いは新芽の時期、葉柄が赤くなるのと、側脈の数が7〜10対とイヌシデより少ない。 4月28日
果実は秋に熟し、黄褐色の果穂と黄葉も美しい。 11月4日
アカシデの樹形。 高さ15mにもなる落葉高木で湿地などに生える。
イヌシデの果穂は長さ約7cmで、葉に似た果苞が対になり垂れ下がる。アカシデの果穂と良く似ている。 7月4日
イヌシデの葉身は楕円形で、側脈は12〜15対ありアカシデより多い。葉柄がアカシデより短い。 7月6日
クマシデの果穂。アカシデやイヌシデの果穂より大きく、果苞がまばらでなく、隙間なくつく。葉身は長楕円形で、側脈が20〜23対ありイヌシデやアカシデより多い。 6月9日