面白い接写の世界

雑木林や公園などで、植物や自然の営みをマクロレンズで撮影してます

ひっつき虫

秋から冬にかけて、草地や藪、林縁などを歩くと、足元や衣類に草の果実がつくことがあります。ひっつき虫と呼ばれるもので、果実にトゲや鉤、粘液などがあり、動物などにくっついて種子を運びます。ひっつき虫の種類には、逆さトゲを持つセンダングサやフックのような鉤を持つキンミズヒキ 、細かい鉤が密生するヌスビトハギ 、粘液を出すガンクビソウなどがあります。普段、やっかいものとして見過ごしていたひっつき虫ですが、果実を接写して観察すると、逆さトゲや鉤、粘液などの仕組みが良くわかります。

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コセンダングサはキク科の一年草。果実はそう果(薄くてかたい果皮に1個の種子が包まれる)で、先端の部分が逆さトゲになっている。

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果実は細長い四角柱で、長さは約8mm。フォークのような先端は逆さトゲで、果皮にも細かいトゲがついている。

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アメリカセンダングサの果実は長さ6〜8mmで、幅が2〜3mm。鋭く尖った2個の先端は逆さトゲで、果皮にも細かいトゲがついている。

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ヌスビトハギはマメ科多年草 。花期は7〜9月で、小さな淡紫色の花を咲かせる。果実は熟すと茶色になり、ふつう2個が一緒につく。

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果実は半月形で表面に細かい鉤が密生する。果実は弾けたりして様々な箇所にひっつく。果皮は薄く、中に半月形の種子が1個入っている。

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キンミズヒキバラ科多年草 。花期は8〜10月で黄色の5弁の花を咲かせる。

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果実は円錐形で萼筒の縁に鉤が多数つく。中には約3mmの卵形の種子が1個ある。

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ガンクビソウはキク科の一年草。果実はそう果で下向きに多数つく。細くなった先端から粘液が出ているのがわかる。

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果実の長さは約3.5mm。互いに粘液を出してくっついている。この果実にくっつかれると厄介です。粘液で手がネバネバしてなかなか取れません。

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ダイコンソウはバラ科多年草。花期は6〜8月で黄色い5弁の花を咲かせる。花を咲かせた後、花柱がのびて残る。

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果実には細かい毛が密生する。花柱の先端は鉤状になる。

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ミズヒキはタデ科多年草。果実は枯れた花被に包まれる。

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花柱の先端が鉤状になっている。裂けた花被から茶色い果実が見える。果実は約2.5mmの卵形。

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イノコヅチはヒユ科多年草 。針状の小苞が2個ありひっつく。果実は長さ約5mmの花被片に包まれ、中に1個の種子がある。

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オオオナモミはキク科の一年草。果実の表面に先が曲がったトゲが多数つく。果実は長さが約2cmで、熟すと茶褐色になる。  10月12日

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オオオナモミの果実のトゲは鋭い鉤状で、くっつくと厄介である。素手で取ろうとすると手の指に刺ささり痛い目に合う。

仙台市青葉山公園 仙台市茂ヶ崎